ラブ・アクチュアリー

jigokumimi2004-02-13

「ベスト・オブ・ヒュー・グラント」あるいは「ヒュー・グラント・コンピレーション・アルバム」みたいな映画だった。もっともヒューヒューの出番はそんなに多くはないので、「ヒュー・グラント」というよりは「ヒュー・グラント的映画」と言った方がいいか。
コンピレーションアルバムだから、思想も深みもなく、砂糖菓子みたいなものなんだけど、なんせ極上のヒット曲ばかりなので一瞬も退屈せず、最初から最後までニコニコしっぱなし。

ちょっと登場人物が多すぎて、それぞれのエピソードをもうちょっと掘り下げてほしい、と感じるところもあります。キーラ・ナイトリーのエピソードはいらんかったな。ま、たぶんそれは男の子が私の好みじゃないからだと思いますが。
私が特に気に入ったのは、アメリカに行けばモテモテだと信じてミルウォーキーに行ってしまう男の子の話。オチがもう。最高。

私が大嫌いなローワン・アトキンスもこの程度の出方ならぜんぜんOKっす。


この映画はまた、「英国男プロモーションビデオ」みたいなところもあり。コリン・ファースアラン・リックマンリーアム・ニーソン、みんな最高にかっこいい。

で、ヒュー・グラント。昔彼が「ヒュー様」(そういえば最近聞かないな、この呼び方)なんて呼ばれていた頃は、「け!」と思っていたものですが、「フォー・ウェディング」の頃から「ちょっといいじゃない?」と思いだし、今では完全にノックアウトされてます。私はどっちかというとマッチョなタイプが好きなので、色もなまっちろく、筋肉もなく、声も高く、ダンスも下手で走る姿は女の子なヒューは全然好みじゃないのですが。頭が良くてユーモアのセンスがあるというのは偉大なことです。「こんな軽い役ばっかりやってるけど、実は僕は本当に軽いんだ」と言ってのけるところがたまらん。このイギリスの高田順次!


カメオがいっぱい出てくるので、予備知識なしで見たほうがいいです。ただひとり出てくるアメリカ人男性が「え。この人がこの役?」と意外だったけど、しばらく見ていると「もうこの人以外にはあり得ない」という絶妙のキャスティングでうなりました。