Il Divo in 上海

Il Divoのコンサートに行ってきました。上海大舞台というバカでかいホール(日本でいうと武道館とか大阪城ホールみたいなとこかな?)で、てっぺんに近いやっすい席です。

何日か前にエリック・クラプトンのコンサートにも行ったんですが、そのときに比べると中国人率が高かったです。といっても7割くらいは外人(欧米人)。当然マダム率高し。
アンコールを含めても1時間半にも満たない短さだったんですが、アリーナの高い席(約2万円)に座ってた人は満足だったと思います。なぜかというと、アンコールの曲(確かウェストサイドストーリーのSomewhereだったか)のとき、4人がステージの端に座ると、前の方に座ってた人たちほぼ全員が警備員を吹っ飛ばしてかけより、ハグしたりキスしたり触り放題というファンにとっては夢のような状態になったから。大ファンの友人は前から2番目の席に座ってたんですが、後から大興奮で「ウルスと握手したのー!」とウルスの鼻の穴満開の写真を見せてくれました。2万円で大ファンのアーティストに触られるなら、安いもんよねえ。私はこうなることを知ってたとしても、2万円も払ってアリーナに座ろうとは思いませんが。


コンサートの感想としては、そうですねえ。面白かったけど、感動はしなかったですね。
4人とも(特にスペイン人のカルロス)歌はうまいんだけど、同じような歌を同じような調子で歌うもんだから、ながーい一曲の歌を聴いたような感じがしました。静かな部分はフリオ・イグレシアスのように吐息まじりにささやくように歌い、10秒後にはトップギアにはいって、最後まで音量100%でいく、というやり方。

私はマライア、セリーヌ、マイケル・ボールトンみたいな歌い上げ系歌手は苦手なんですが、それが4人いるんですよ。しかも、全員シャツのボタンを4つくらいはずして、流し目送るんですよ。フリオが4人。歌い方はマライア/セリーヌ
帰ってから"Three Tenors"のDVDを観たんですが、彼らは100%の声を出すのはほんの一瞬なんですよね。だからその瞬間にゾワゾワっと背筋に戦慄が走るわけで。まあ、三大テノールと比べるのが間違ってるのかもしれませんが。


歌った曲は、「(マライアの)ヒーロー」、「カルーソ」、"Without You"、"All By Myself"、"Unchained Melody"(ゴーストの陶芸シーンの歌ね)、そして忘れちゃいけない「マイ・ウェイ」。あとは忘れたけど、まあみんなこんな感じのロマンチックポップスです。

Il Divoのコンセプトが「ロマンチックなポップスの曲をオペラ風に歌う」だそうなので、こういうポール・モーリア的というか、バリー・マニロウ的というか、英語の歌が得意な専務のカラオケナンバー的というか、要するにクリスマスに田舎のモールで流れてるような曲ばっかりになるのはしょうがないのかな。


けっしてつまんなかったわけではないですよ。歌は確かにうまいし、知ってる曲ばっかりなので楽しいし。たぶんこんな感想なのは私くらいで、「感動した!」という人の方が多いと思います。