ビヨンド the シー


ケビン・スペイシーのドリーム・プロジェクトだそうで、彼自身が脚本を書き、監督もしています。
映画としては決して出来がいいとは言えず、37歳で死んだボビー・ダリンを撮影時に44歳だったケビンが演じることの不自然さをカバーするため、中年になったボビーが自分の自伝映画に主演しているという設定になってるんですが、成功しているとは言いがたい。何より、ボビー・ダリンという人の生涯が映画化するに値するほどドラマチックなものとは思えない。ケビンがなんでこの人の映画をこんなに作りたかったのかが不思議ですが、単に彼の大ファンだから彼の歌を歌って踊りたかったのかも。それほど歌っているときの彼は生き生きしてます。特に最後のナンバーは素晴らしく、それまでの2時間は全てこのための前ふりだったのかと思えるほど。ダンスはともかく、歌は俳優の余興の域を完全に超えています。特にケビンファンでなくてもこの手の歌が好きならお薦め。
余計なお世話ですが、この映画で自分が○ゲだってことをカミングアウトしたようなものなんだから、もうひとつの方もカミングアウトしたらどうよ?と思いました。