勇気ある字幕翻訳家が配給会社を批判

プロの字幕翻訳家である落合寿和さんが、映画配給会社と「時間がなかった」事を言い訳に「付け焼刃」でごまかす字幕翻訳家(はっきり言って戸田なっち。こないだNHKの番組で実際にそういう言い訳してた)を切ってくれてます。

「キングダム・オブ・ヘブン」字幕改善嘆願署名運動というものが今ウェブ上で展開されてます。それに関して

さらに「改善を求める内容」ですが、これは字幕翻訳家(「名無し」ですが)として断言します。指摘の大半は配給会社側が直す気持ちさえあれば、初号試写から公開までに直せたのです。その体勢を考えていて当然の話ですから。

と。また、字幕翻訳家に関しては

テレビなどで翻訳者が「字幕翻訳は時間がない事が多い」と嘆く様子を見聞きしますが、それには同情して、作品そのものの製作に関わった人々の苦労や思いは無にする。不思議な話です。

と落合さんは書いてます。


全くだ!構想に何年もかけて、脚本家が(ときには何人もの)何度も書き直し、(ジョー・エスタハスの本によれば)ひとつのセリフを取り入れるか削るかで脚本家と監督が大喧嘩をするほど必死になり、セリフを勝手に変えてしまう俳優と監督が大喧嘩し・・・。このような、何百人もの人の血と汗と涙の結晶であるところの脚本を、「専門じゃないから」「時間がないから」と「付け焼刃で」スターの“通訳”(プロの通訳は絶対あれを通訳とは認めないでしょうが)のあいまにやっつけ仕事をされちゃ、たまらんですよ。


Heather 落合寿和の字幕翻訳日記