美麗上海 Shanghai Story

上海に来て一ヶ月が経とうとしてますが、昨日まで映画館で映画を見てませんでした。日本にいたときみたいに、車に乗って近所のシネコンにプラっと気軽に行けない、洋画をあまりやってない、やってても字幕なのか吹き替えなのか、劇場に行ってみないとわからない、中国映画は言葉がわからないという理由でなかなか腰があがらなかったのです。洋画のラインアップも「宇宙戦争」「ファンタスティック・フォー」などに混じって、なぜか何年か前のスティーブン・ボールドウィンの映画を２本もやってたりして、何を基準に選んでるのか、わけがわからん。それに加えて、昨日アメリカで公開したばかりの最新映画のDVDが10〜20元（1元＝14円）で買えてしまうんだもの、ついついDVDで見てしまうんですよね、そのうち黒い涙を流すことになるかもしれませんが。

そうこうしてるうちに、上海在住のガイジン（西洋人ね）駐在員向けポータルサイトで、中国のアート映画を英語の字幕で見るクラブ、"Maria's Choice"の存在を知り、「これだ！」と、昨日上映会に行ってきました。映画の名前は「美麗上海」（英語タイトル Shanghai Story）。「上海家族」を撮った彭小蓮監督の作品です。金鶏賞や上海国際映画祭で作品賞、監督賞、主演女優賞など、いくつも賞を取っているそうです。「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のジョイ・ウォン主演。

フランス租界の洋館に住んでいたブルジョア家族が、文革を境に没落、自分の家に他の家族何組かと一緒に住むことを強制される。父親は亡くなり、母親はトイレ掃除などをさせられながら、何とか子供を育て上げ、現在家には母親と離婚した長女（＋同居している他の家族）のみ住んでいる。母親が病気で倒れたのをきっかけに、アメリカに住む次女、内モンゴルに住む長男、上海市内で別居している次男が久しぶりに集まるが、心はバラバラで・・・。という話です。
面白かった。クレジットが始まると拍手が起きてました。やっぱり映画館で見る映画はいいですねえ。個人的には、会話がそれほど難しくなかったので、ちょっとだけ聞き取れたのが嬉しかったです。

文革はどうやら批判してもOKなようですね。それでもお札の絵は全部毛沢東。実際のところ、中国人は毛沢東のことをどう思ってるんでしょう？聞いてみたいけど、聞いたらまずいのかな。

この映画館は一番にぎやかな地域のショッピングセンターの中にあるシネコンなので、内装や設備は（音響まではわかりませんが）ほとんど日本と変わりません。違うのは観客。映画が始まってから入ってくる人の方が多い。それも普通の声でしゃべりながら。携帯もジャンジャンなるし、受け答えもする。もちろん普通の声で（←中国人にしては抑えてる声だと思うけど）。携帯で大声でしゃべってる人に向かって、３列前の白人の女の子が「ここは映画館なのよ！」と流暢な中国語で注意したけど、完全に無視されてました。まるで「最終絶叫計画」だ。それでも、インドの映画館よりはましですけどね。インドでは、赤ちゃんは泣くわ、ケンカするわ、映画館というよりは、どっかの大食堂でたまたま映画がかかってるという雰囲気でしたが。

昨日がプレミアだったので、上映後出演俳優ふたり（上海映画祭で助演女優賞をとった顧美華と金鶏助演男優賞をとった馮遠征）のあいさつとQ＆Aがありました。顧美華は映画の中では地味な役だけど、スラっとしてかっこよかったです。Q＆A（英語通訳つき）では、３人ほど真面目な質問をしてましたが、最後に質問した中国人男性が面白かった。３分も４分も興奮してしゃべり続け、途中からはまわりの人がゲラゲラ笑い始めました。私には何を言っているのか全然わからなかったですが、通訳は「彼が何を言いたいのか、正直よくわかりません。ただ、Beautiful Shanghai（美麗上海の直訳）というタイトルが気に入らないみたいです」と言ってました。馮さんは「彼は北方人なんだろう」と言ってたような（中国語なので自信なし）。

その後下の本屋で本のサイン会。読むつもりもない（能力もない）のに小説を買ってサインと握手をしてもらいました。昨日までは顔も名前も知らない役者さんだったんですが。

顧美華、隣は監督

馮遠征　「パープル・バタフライ」という映画で、チャン・ツィイーたんと中村トオルと共演してるみたいです。

サイン本。頑張って読むかねえ。

上海在住で"Maria's Choice"に興味ある方はどうぞ。↓
"Maria's Choice"主宰のマリアさんの記事
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